移住の朝は、思ったより静かな気持ちでした。
いよいよ那須へ——荷物を積んで出発した、あの日の記録です。

那須大橋から望む夏の那須連山。欄干の向こうに緑の渓谷と山並みが広がる、那須へ向かう道すがらの風景。
何年も通った、那須へ続く道。この日、ここが「帰る場所」になりました。

感傷よりも、静かな気持ちで

引っ越しの日は、よく晴れていました。荷物をトラックに積んで、住み慣れた場所を出発する。それほど感傷的な気持ちにはならなかったのが、正直なところです。

たぶん、那須通いを何年も続けてきたから。気持ちはもう、とっくに那須にあったのだと思います。

薪ストーブに、火を入れた夜

那須に到着して、荷物を運び込んで、夕方に薪ストーブに火を入れました。

炎を眺めながら、妻と二人でこう話したのを覚えています。

「ついに、来たね」
薪ストーブの中で赤々と燃える炎と、そばに積まれた薪。木の壁のあたたかな山小屋のような室内。
引っ越し初日の夜、薪ストーブの火がやけに温かかった。

特別なことは何もなかったけれど、それが良かった。普通に那須の夜が来て、普通に眠れた。

ここが、自分たちの場所なんだと、自然に思えた夜でした。

次回は、実際に移住してみて分かった、那須のリアルな暮らしについて書きます。